その年の締めくくりとして行われるももクリ。
ももいろクリスマス。
ももクリは、その年のももクロの成長を披露する場でもある。
ももクロは、別に歌が上手いとか、ダンスが得意とかで結成されたグループではない。
最初は、口パクで行くことを前提に、だからマイク入らないと、マイクの代わりにバナナを持たされたぐらいだ。
でも、やっぱり生歌が必要、ダンスもと。
少しづつ成長してきた。
最初のももクリは2010年。
6人だけでステージに立った。
そう、この時は6人だったももクロ。
デビューは2008年。
それから3年。
2010年1年間の成長とともにデビューからの3年間の成長のステージだった。
僕は、この時全くの蚊帳の外。
開けて2011年。
ももクロは6人から5人になった。
指数曲線的に動員数を増やしたももクロが、その年の成長を、
ももクロ初のアリーナクラスのライブで締めくくった。
ゲストには、今年と同じマーティ・フリードマン。
ももクロはまだ、ライブでは音源を流していた。
僕は、相変わらず蚊帳の外。いや、そればかりか、ももクロがSSAでライブしたニュースに接して、アイドルの大きな会場でライブしたという実績作りで、実際の動員数は度外視でしょ。ぐらいの、ひねくれた目で見ていた。僕のことはどうでもいい。いや、もう少し述べると、2012年の夏には、ももクロにハマっていたのだから、僕の身にも何があったのだろう?
その後、毎年着実に成長を続けたももクロ。
結成から10周年を迎える2018年。
その前年2017年のももクリは、一つの頂点を迎える。
今年と同じくSSA(と大阪城ホール)で開催されたももクリ。終わったあとももクロはスタッフから、そのパフォーマンスを称賛され、もうやりつくしたとまで称された。
が、輝きを放ったのもわずか。
年が明け、10周年イヤーを迎えたももクロは、どん底に落ち込み、暗闇だけが目の前に広がった。それはももクロも、モモノフも同じだった。
強制的に5人のももクロがリセットされ、ももクロは4人になった。
絶頂の5人は崩壊し、4人でまたやり直し。いややり直しではない、マイナスからのリスタート。目の前が真っ暗でも、2月にはバレイベ、4月には春一、そして5月には、10周年を祝うべき東京ドームが続いていた。
どうやって乗り越えるのだろうか?
ももクロも、モノノフもこの先どうなるのかと、暗闇で涙した。
でも、ももクロは復活した。さらに高く舞い上がる。
この年2018年のももクリも開催はSSA.
晴天の霹靂、波乱万丈を絵にかいたような1年間の成長とともに、デビューからの10年間の成長を見せるべく、歌を聞かせるライブを行った。
最初は口パクだったのに。
最近知った話で、好きな話があるんだけど。初めてミュージックステーションに出た時、生歌が自信なかったももクロは、本番前に番組のお偉いさんに口パクで行くことを頼みにって、『プライドはないのか?』と言われ、即答で『無い』といったぐらいに、歌に自信がなかったのに。
2018年は歌を聞かせることを中心に据えたライブを行った。デビューして10年間の集大成。
翌2019年のももクリは大阪城ホール1日と、SSA二日間の計3日開催。
バックもさらに豪華になり総勢21名のバックバンド・DOWNTOWN SWING ORCHESTRA。
その他にも豪華ゲスト。
最初はメンバーだけで立ったステージからの成長を見せたステージを展開した。
ステージ演出も昭和のTV歌謡ショーをモチーフにし、昭和ー平成ー令和の三つの時代を結びつける豪華エンターテイメントショーとなった。
2017年よりも、2018年よりも確実に成長した姿を見せたももクロ。
それは一度上った山の頂上のさらに上の領域に上がった証だった。
でも、また強制的なリセットがももクロに襲い掛かった。
前回と違うのは、この強制リセットが、ももクロだけではなく全世界的に起こったことだった。
ももクロは、ライブを主戦場にしてきたグループだ。
そのももクロから、ライブが奪われた。確かに、無観客での配信ライブをその間行ったが、それは別物だ。
2020年のももクロは開催されなかった。
そして今年。2021年。
再び、三度、四度。いったん何度目だろう?
ももクリがSSSAに還ってきた。
2年ぶりに有観客での開催。
初のSSAでのももクリから10年。
10年前と同じように、バックバンド無しで、メンバーのみのステージ。
そして、ゲストにはマーティ・フリードマン。
10年前のももクリをオマージュした演出。
最少人数で、SSAの空間に音を、歌声を充満させた。
2年間の新型コロナ禍でも絶え間なく続いた成長を、
そして初SSAのももクリからの10年間の成長を披露したステージ。
そして、
そして、
10年後のももクリの開催も宣言された。
今年のももクリは、締めくくりでもあり、
新型コロナ禍でリセットされた時間を、取り戻すライブだった。
そしてこれからの10年後への進化の号砲を打ち鳴らした。
でもそうなるのは知ってた。
だって、ももクロは永遠に続くと思ってるから。
永遠からしたら10年なんてあっという間だ。
だって”永遠”という言葉はももクロにこそ相応しいから。